TALK : iPhoneのユーザインターフェイスとApple その3 iPhoneのメタファ
Written by MeNOU
さて、じゃiPhoneは何のメタファを用いているかと言えば、アドレス帳やiTunes(iPod)などであるのだけど、ポイントとなるのはもっと他にあると【めのう】は思う。
iPhoneのメタファのポイントは「何か物の比喩」というよりは慣性の法則といったアニメーション動作にある。「形」ではなく「動き」で比喩しているのだ。
分かりやすいところでは、iPhoneではリストを指ではじいてスクロールさせたりした時に、リストが終点までたどり着いて、なお勢いが余っているとガツンと一瞬リストの外の黒いエリアが見えてから戻るアニメーションが付いている。
このアニメーションは拡大写真のスクロールや写真で隣のページに切り替える時などにも見られる。
また、新しいiPhoneのムービーを見ると、指2本による拡大縮小などにも慣性が付けられたりといった、「物理法則的なアニメーション」が細かく付け加えられている。
iPhoneの筐体を縦横傾けた時に、中身が回転してサイズが変更される様なども、やっぱり物理法則的なイメージへの布石に思える。
では、なんでそれが重要なのかと言うと、ユーザはそれによってiPhoneの中に見えているものが物理法則内にあるものだという認識出来る。ということは、現実世界にあるものと同じように感じられると言うことになるワケ。
つまり、iPhoneは物理法則を比喩することでiPhoneの中にあるものが「現実世界の物」であるように思わせる。
そして、iPhoneの操作は、例えば現実にある「頁」のように指で弾いてページをめくるように作られているし、傾ければ重力が働いているかのように中身が回転するように出来ている。
だから、ユーザは何も知らなくても何となく使い方を推測したり出来るというところにたどり着くワケ(^_^)
人間は、現実世界で生きていることで物理法則という仕組みを学習しているのだから、それに基づいたユーザインターフェイスを用意してあげれば改めて使い方を覚え直さなくても済む、ということだね(笑)
このあたりの、あまりにも自然過ぎて見逃してしまうような(それでいてものすごく効果的な)ところをキチっと押さえて、また重点的に作り込まれているあたりに、Appleの社風やスピリッツを垣間見ることが出来る。
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